Leadless brass processing

鉛レス黄銅加工

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RoHS指令とは

欧州連合(EU)で流通する電気・電子機器における、特定有害物質の使用を制限する指令で2007年に施行されました。当初の対象物質は鉛・水銀・カドミウム・六価クロム、ポリ臭化ビフェニル類、ポリ臭化ジフェニルエーテル類の6物質でしたが、2024年現在では、対象物質にフタル酸ジイソブチルフタル酸ジエチルヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジブチルの追加に加えて、適合宣言書の作成、CEマークの貼付、販売記録保存の義務化等、年々対応の厳格化が進んでいます。

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RoHS指令の適用除外

黄銅においての鉛は加工性の向上という重要な役割を持っています。鉛は人体に蓄積すると有害な症状を引き起こすとして、上記の通り、規制の対象となっていますが、鉛の使用禁止が『技術的、科学的に不可能』とされ、黄銅については4wt%以下の使用を容認する、RoHS指令の適用除外対象になっています。また2016年より度々の適用除外申請が認定され2026年7月迄延長が決まっています。

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鉛レス黄銅の分類と課題

2026年7月迄適用除外の認定が決まっていますが、除外解除に向けて各黄銅棒メーカーは鉛レス黄銅材の開発に努めています。現在主に鉛レス黄銅(真鍮)は下記の3種類に分類されます。

系統概要
低鉛系鉛の含有率が少ない
シリコン系鉛の代わりにシリコンを配合
ビスマス系鉛の代わりにビスマス等を配合

2024年現在、少しづつですが鉛レス黄銅の流通が増えている状況ですが、鉛レス黄銅の課題として、

・既存黄銅材料と比較して切削性の悪化
・既存黄銅材及び鉛レス黄銅種類毎の切粉分別が必要
・ろう付け条件設定

といった大きな課題があり、量産はおろか試作対応も難しいという加工業者様が多い状況が継続しています。当社では、3種類全ての鉛レス黄銅の切削・ろう付け実績がありノウハウを蓄積しています。鉛レス黄銅の案件がございましたら、当社にご相談下さい。

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