ご挨拶

金属加工.comをご覧頂きありがとうございます。金属加工.comでは、

・金属部品の価格がどうやって決まるのか?
・どの様な形状が作りやすい=価格を抑えやすいのか?といった、金属部品の資材調達に特化した情報を発信しています。

各社様の事業活動の一助となれば幸いです。

金属加工.comは山梨県・長野県で切削/ろう付けを行っている北東技研工業株式会社にて運営しています。金属加工のお困り事がございましたら、是非弊社までご相談下さい。

見積り算出方法を把握していますか?

金属部品の資材調達を行っていて、協力会社から見積り取得した際にどの様に算出されているのだろう?
という疑問を感じた事はありませんか?各社様、工程が違っていたり、考え方、材料や工具の仕入れ金額により金額は大きく異なりますが、算出方法については大きなくくりで考えるとほぼ同じ構成になるかと考えます。見積り算出のロジックを知る事で、各協力会社の得意分野を理解出来たり、コストダウンに繋げることが出来るかもしれません。金属加工.comでは、北東技研工業株式会社での算出方法を参考に黄銅(真鍮)棒材切削品の価格の決め方を発信します。

真鍮部品の見積の内訳

北東技研工業株式会社の真鍮部品の価格の内訳は、大きく分けて『加工賃』『材料費』『治具費』『管理費』に分かれます。
各項目の大まかな内容としては、下記の通りです。

加工賃人件費・段取り費用・機械稼働費
材料費材料仕入金額-スクラップ売却費
治具費チャックやバイト、ゲージ類の費用
管理費営業管理費・工場管理費・原価償却費・送料等

次項では上記項目の中で、真鍮部品で特徴的な材料費の算出について記載します。

スクラップは売却出来る

真鍮部品の価格算出について特徴的なのは、切削工程を行った際に発生する切くずや、棒材加工の場合、加工出来ないチャック部分の端材といった副産物(スクラップ)が高額で売却出来るという部分にあります。
真鍮のスクラップは他金属のスクラップ等が混ざってしまったり、ある程度まとまった重量で無いと価格がダウンしてしまう可能性があるので、様々な材料を少量で加工している業者よりも、真鍮専門ないしは、ある程度の規模で真鍮加工を対応している切削加工業者の方が材料費が安くなる傾向があり、逆に小規模で色々な材料を加工している切削加工業者は、材料費が高くなる傾向があります。
材料費の部分だけで見れば真鍮専門ないしは、ある程度の規模で真鍮加工を対応している切削加工業者の方が良い様に見えますが、逆に使用出来る材料に制限がかかってしまい、特殊な金属は加工してもらえなかったりと、各切削業者の得意・不得意/規模を考えて見積り依頼を出すことが大切です。

黄銅のベース価格について

前項で真鍮スクラップは売却出来るとお伝えしましたが、真鍮の価格はどの様に決まるのでしょう。そもそも真鍮は銅と亜鉛を混ぜた金属ですが、銅と亜鉛の比率により8:2銅、7:3銅、6:4銅と呼ばれ、黄銅棒材で最も汎用的な規格である、JIS C3604は6:4銅に分類されます。銅の価格と亜鉛の価格は、日々変動しており、それぞれの比率に応じて算出する事も出来ますが、大阪府にある黄銅棒材料メーカーである日本伸銅株式会社様にて発表している通称N社価格と呼ばれる金額が、計算のベースに使用される事が多いです。N社価格については、日本伸銅株式会社様のHPや金属関係の情報が豊富に掲載されている産業新聞や材料商社様のホームページ等で確認が可能です。

まとめ

・黄銅棒材切削品の見積り内訳は大きく分けて『加工賃』『材料費』『治具費』『管理費』に分類される。
・一般的に真鍮の切粉は売却可能で、材料費は売却分を考慮した金額となっている。
・黄銅棒のベース価格は日本伸銅株式会社様が発表しているN社価格を使用されることが多い

いかがでしたでしょうか?
見積り算出のロジックを知る事が各社様の企業活動の一助になれば幸いです。
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